Are you happy?

「音」が血となり肉となり彼らの世界を完成させた一昨年の「THE DIGITALIAN」。その後、自分たちの「原点」を振り返ったうえで「今をどう生きる?」とファンそれから自らに正面切って問いかけた昨年の「Japonism」。それらを経て発表された2016年のアルバム、そのタイトルは「Are you Happy?」。あえて明確なコンセプトを決めずに、メンバー自身が「それぞれの思う今のあらし」を表現したというこのアルバム。一見ポピュラーなアルバムに見せかけつつ、2016年現在のあらしとして挑戦してるアルバムだなと思った。誰かに何かを問いかけるとき、問いかける側には一定の「覚悟」が必要で。じゅんくんは「"Are you ●●〜?の"Are you"の部分が重要なのであって、●●に入るワードは何だっていい」と言っていたんだよね。それってつまり端的に言うと「あんたはどうなの」って問いかけてるってことだと思うんだけど、そんなこと、「俺はこうだよ」っていう意思がないと問いかけに説得性が生まれない。その「俺はこうだ」っていう意思を、メンバーそれぞれが覚悟を持って表したアルバムなのだと、私はそう受け取りました。にのみやくん的に、これを「心中」と言います。はは、お気楽なようで重たくって、なんも考えてなさそうで大真面目、そういうとこほんと変わらないね。で、●●に入るワードは何でもいいと言いつつも、最終的に"Happy"というワードを選択したということは。彼ら自身の答えがそれだってことなんでしょう。いい作品作ってくれちゃったよなー、彼らからの問いかけ、私もしっかり応えなきゃなあ。


1.DRIVE
この曲が持つシティ感、東京生まれのあらしによく似合うんだ*1。この曲で始まるアルバムが最高じゃないわけないじゃんって早々に確信させてくれた。「HERE WE GO!」とか「How's it going?」を思い出させるグルーヴ感、実はあらしの真骨頂だよね。星のFreewayとか、walking in the rainとかを大人にした感じ。この2曲を聴くと感じる少しの痛みをこの曲が持ち合わせていないのは、彼らが大人になったってことなんだろうな。

2.I Seek
DRIVEからの流れに痺れた。世界観をばっちり示したアルバム曲での導入があって、シングルのこの曲で本当の幕開けをお知らせしてくれるこの流れずるいよー!一気にこのアルバムの世界観に持っていかれた…思うツボ。ずぶずぶ嵌っていきたい所存。

3.Ups and Down
1・2曲目からのこの曲でもう完全にノックアウト。メンバー監修曲でもシングルでもないこの曲がうまくアルバムのバランスを取ってくれているね。浮きすぎず埋もれすぎず、曲としての高い完成度を持ってアルバムのクオリティを底上げしてくれている。ライブでのパフォーマンスを考えずにはいられない曲。

4.青春ブギ
おしゃれに次ぐおしゃれな前半3曲からのこの振り切り方ってアリかよ!って言いたくなるんだけどアリなんだよなこれが!こういう盛り込み方できるのがコンセプトを決め過ぎないアルバムの醍醐味だし、アイドルグループとしての音楽活動の醍醐味でもあるよなあ。ダサくてふざけてるようでダサすぎないしふざけすぎてないところ、あいばくんのバランス感ってやっぱり信じられるなーと思う。大真面目な声で「ハ〜もっかい!」って聴こえてきたときは思わず拍手した。こんなん、メンバー監修曲でもない限り5人の曲になることなんてないでしょう。でもあいばくんが選んだ曲だから、やるわけです。監修システムの面白みを感じられる1曲。

5.Sunshine
ツアーのソロ1番手すでに当確!的な、ドストレートな曲*2。しょうくんのソロでチャラめ要素無しの100%爽やか好青年ソングって意外と無いので、珍しいなって印象。悔しいけど似合うんだよなー。休日の朝に聴くと気持ちいいことこのうえないです。

6.復活LOVE
個人的には、2015→2016のあらしの音楽活動において象徴的な曲だと思ってる。このアルバムでも主軸的な重要なポジションを占めてる印象で、ツアーでどう使ってくるか楽しみ。アリーナツアーである程度仕上げちゃってるからねえ…でも絶対ドームツアーでもおいしく仕上げてくるつもりでしょじゅんくん?!

7.Amore
あいばくんのこういう遊び心、いまのあらしの音楽において必要なスパイスなんだろうな。このアルバムの多様さを生み出してるのはあいばくんの監修曲・ソロ曲による力が大きいよね。相変わらずセルプロデュース力の高さに嫉妬。もりあがってんのー!いぇーいぇー!

8.Bad boy
流れてきたEDMバリバリのイントロがおおのさんのソロだって分かった瞬間、リアルに「え?!」って声出した。聴き進める中で「最高だ…!」と拍手すること数回。やっぱり宮城以降のおおのさんは何かが違うんだよ…!まずおおのさんが"I'm bad boy"と連呼するだけでこうふんが凄い。振付もおおのさん自身がやるということなので、振付師として、それから歌い手として、ダンサーとして、ぜんぶひっくるめて表現者としてのおおのさんの可能性を広げてくれる曲になるのではと期待しています。

9.WONDER-LOVE
「アイシテル」をしょうくんに歌割してくれたにのみやくん、ありがとうな?!?!この曲もにのみやくんが監修してないと選ばれなさそうな曲で、にのみやワールドに染まるあらしが新鮮だなあと。こういう浮遊感のある掴みどころのない、それでいて心のどこかに引っかかりを覚えるような曲をあらしにステージングしてほしい願望がずっとあるので、「三日月」に続いて演出がとても楽しみです。だってこれを、にのみやくんのビジョンでステージングすんだよ?!どうなるのかさっぱり想像つかない。

10.また今日と同じ明日が来る
あーにのみやくんこういう曲好きそう…(だから私も好き)。メロディがシンプルだから、歌声でお芝居するにのみやくんの声が綺麗に聴こえるね。イントロとアウトロのメロディが同じっていう演出がすごくにのみやくんらしいなあと思った。

11.Daylight
救われない想いを叫ぶにのみやくんのソロが終わって、聞こえてきた優しいピアノの音に安心した。もうたぶん、この先ずっと大事な曲として一緒に生きていく曲だと思っているよ。"Are you Happy?"というアルバムにこの曲が入ってくるのが今のあらしなんだと思う。

12.愛を叫べ
このアルバムにこのシングル入れるのすごい難しかっただろうなー!世の中のイメージと反して、やっぱりあらしってこういう曲をあまり歌ってこなかったグループだからねえ。だからシングル続きで並べてくるのすごくお上手だなと思いました。シングル単体で聴くとふーんって曲が、アルバムに入ってくるとその色味が際立つから不思議だよね。LOVEでいうとRock Tonightのような、明るくハッピーなアイドルソング的立ち位置を見事にこの曲が担ってくれているなと思う。

13.Baby blue
じゅんくんの優しくて甘ったるい声によく似合う曲。土曜日の朝が似合う曲だよね。そういえば土曜朝のラジオもじゅんくんの声がぴったりだったなあと思い出したり。じゅんくんのピュアなまっすぐさを真正面からぶつけられると、胸が締め付けられるのはなんでなんだろう?じゅんくんに笑顔で「泣かないで」って言われたら泣いちゃうに決まってるじゃん><なんかさあ。つくづくだけど、「みんな同じ空の下にいるから大丈夫だよ」って、何の疑いもなく信じていて、屈託なく伝えてくれる人があらしの末っ子にいること、ほんと大事にしたいなあと思うよ。この曲を聴いているとじゅんくんがいまこの瞬間も笑っていられていますようにって思ってしまう。相変わらず重くてごめんね!純粋に楽曲の好みでいうと、この曲が一番好きです。

14.Miles Away
おおのさんが監修曲にこういう曲を選んだっていうのがもう胸いっぱいだよ。おおのさんの目からあらしはこういうふうに見えているんだなって、こんなにだだ漏れになっちゃっていいの?おおのさん、歌を歌うグループとしてのあらしにこんなに可能性感じてるんだなあって、素直に嬉しかった。"歌"という分野では、誰かの視点からいつも自分が表現の主体を任されてきた人が、視点を自らに移してあらしという括りを主体にして描いた曲。この曲の1番Aメロソロにさくらばを選んだという事実だけで、やっぱりこの人はリーダーなんだよって自慢したくなってしまう。16年経って、まだまだあらしの音楽にはこんな可能性があるんだなあ。それを教えてくれたのがおおのさんだってこと、大切にしたい。

15.To my homies
「あの頃」を振り返り、糧にし、「今」を歩き出す曲。まず、立ち止まり過去を振り返ることを出来るようになったんだねって。それは、「過去」を思い出にしたから。「今」を生きていくことに迷いが無いから、出来ることで。ああよかったなあ、って何度でも思ってしまうよ。今と過去を繋ぐ導入の部分をおおのさんに任せたのがぐっとくる。そして風っこに過去パートを繋いでもらって、最後"刻みこんだ音(=過去)を今日も"と、「今」に踏み出していく部分を歌うのはさくらいくんなんだよね。私がすごくぐっとくるのは、過去を振り返ったあとに「誰にも止めれないこの胸騒ぎを もう止めることはない」って部分で。"Are you happy?"という問いに対するあらしからの答えが、ここに詰まっていると思っている。「なんだか不安なんだ」と歌っていたしょうくんが、こんなに温かく力強く過去と今を繋ぐ歌を歌えていること。歳を重ねるのも悪くないなって、この人を好きでいるとそう思える。この曲はしょうくんが解説していないからこそ、"homies"の解釈が人それぞれあって面白いよね。個人的にはJr時代からこのことを歌っているのかな〜と想像してます。「Japonism」の次のアルバムだからこその曲なのかなと。そう考えると、「Japonism」で原点回帰したあとのテーマが"今の嵐とは"、"Happy?"だったことにすごく合点がいく。

16.Don't You Get It
リード曲がアルバムの締めって面白いよねえ。このゆるくやってるように見せかけつつ、Huntingしてやるんだって気持ちを隠し持ってるところがすごくあらしっぽい。それに加えて、俺はまだまだと言いつつどこか余裕さが滲み出ているところがすごく今のあらしだなあと思う。なんとかなるよって今のあらしに言われるとさ、本当になんとかなるような気がするんだよね。そしてそのためにはちゃんとしなきゃなって思うんだよ。この曲で締めくくるというあらしからのメッセージ、しかと受け取った。

17.TWO TO TANGO
ボーナストラックとしては珍しい曲調!いくらボーナストラックとは言え、何も知らない人が買ったアルバムの最後はこの曲になるわけで、そういう意味でもアルバムとしてすっごい挑戦的だよな〜。この曲のさくらいくんのラップがものすごく好きで好きでたまらないのでみんな通常盤買お?前半パートがしょうくんお得意のライムで、でもなんか懐かしくってさー。「そりゃすぐには揃わない」っていうリリックがめちゃくちゃしょうくん!って思った。最後、"うなだ""れてるなら"で前半後半と韻踏んでるのちょうタイトでスマートじゃない?!しかも"れてるなら"であわせてんのが"hey you gotta..."ってどんだけおしゃれなんだよ?!好き!!!この曲タイトルはTANGOだけどラップパートとか聴いてるとhiphop色強いから重めに踊ったらかっこいいと思うんだけど、どうだろうなー。


1枚まるまる繰り返して延々と聴いてられるようなアルバムだなあと思います。さあライブではどう味付けしてくれてるのかなー楽しみだ!!!

*1:あいばくんごめん

*2:セトリ見てないから違うかもしれないけど